妊娠時の出血、「ベッドで安静」は無駄なこと
妊娠初期に出血した経験を持つ女性は全体の3割。
妊娠時の出血は珍しい症状ではありません。
異常を知らせるサインではありますが、妊娠初期だと異常がなくても起きる場合もあります。
しかしながら、この出血が何らかの疾患を知らせるサインの場合があるので、
基本的には産婦人科の診察を受ける必要があります。
出血の色から見分ける方法をご紹介します。
・真っ赤な出血
切迫流産、子宮外妊娠、子宮頸がんなどの可能性がある。
出血量は少ないのが特徴です。
・ピンクの出血
ピンクのおりものは、妊娠超初期によくみられる出血です。
少量であれば着床出血や絨毛膜下血腫の能性が高いでしょう。
すぐに止まるようならば、そのままにして問題ありません。
・茶色いレバーのようなもの
子宮内容物が出てきてしまった(流産)可能性があります。
病院に連絡してください。
妊娠初期は、便通時や、自転車に乗ったりするだけでも子宮の入り口が傷ついて出血することがあります。
出血量が少量であったり、色も赤茶色で安静により止血するようならば赤ちゃんの成長に影響はほとんどありません。
ただし、腹痛やお腹の張りがある場合は医師の診察を受けるようにしてください。
一般的な病院での出血時の対処について
プロゲステロン(デュファストン)の服用が有効です。
- 合成プロゲステロン(デュファストン)の投与→ 〇効果あり
- 天然プロ下ステンの投与(日本未承認)→〇効果あり
- 妊娠初期の出血に対して絶対安静の指示がでることがありますが、ベッド上安静の効果を示す報告はありません。→×
- HCG投与、子宮収縮抑制薬も同様に効果が認められていません。→×
Siobhan Quenby et al. Lancet. 2021. DOI: 10.1016/S0140-6736(21)00682-6
出血時の漢方薬
・芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)
漢方では不正出血の第一選択です。
止血効果のある艾葉(がいよう)、阿膠(あきょう)を含みます。
過多月経、不正性器出血に対する止血目的で使用します。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
芎帰膠艾湯の無効例で有効なことがあります。
上記は止血効果のある漢方薬の一例です。
漢方薬に精通している医師に処方してもらうのがおすすめです。
出血時の鍼灸治療
鍼灸治療も有効なことがあります。
・出血に効果のあるツボ 血海(けっかい)
足の内側、くるぶしの一番膨らんだ部分から指4本分上にあるツボ。
足の膝のお皿の上、内側の角から指3本分上がったところにあるツボ。 名前通り、血の巡りを良くしてくれるツボです。
適切な取穴と適切な刺激量がキモなんです。
自己治療ではなく
鍼灸院で適切に治療してもらうことをすすめます。
院長からのコメント
妊娠初期の出血はほとんどの場合 問題ありません。
病院より絶対安静の指示があることもありますが、過剰の安静は無意味です。
「動きすぎなければよい」ぐらいで考えればよいと思います。
上記の方法を組み合わせて妊娠初期を乗り切りましょう。
たまはりきゅう院 院長 田巻和洋
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