腹部の膨満感と妊娠との関連
湿度が低くて風が強いと凍えますね。
○今日の患者さんは腹部膨満感を訴える30代のご婦人です。
主訴は腹部膨満感
ここ2-3年にわたり腹部膨満感が気になっている。
石がゴロゴロ入っている感じがする。
薬を服用したも変わらないとのこと。
腹部を確認してみるとおへそを中心にポッコリと盛り上がっており(空気が入っているという感じ)手で押すと硬く抵抗を感じ、不快感もあるとのこと。
食欲もない。ガスもでる。
その他としては
不妊治療をしている。人工授精を3回したが、結果は出ていない。
疲れやすい、疲労感があるとのこと。
東洋医学的に考えてみる。
腹部の膨満感や食欲のなさ、だるさは脾の症状である。
不妊などの生殖器の問題は腎の症状。
東洋医学では身体の臓器を五つに分類し隣り合う経はお互いに相生関係(互いに依存しあう)、向き合う関係にある経絡は相克関係(互いに拮抗しあう)にあるとされています。
腎と脾の関係は相克関係です。
今回の場合は腎のバランスが落ちた結果
脾が過剰になり腹部症状が出ていると考えました。
○治療経過
・1回目
1月27日 復溜、列缺の補法、脾経の漏谷瀉法
腎経の経絡を補い、相克する脾経に瀉法を行いました。
治療時間は15分くらい。
腹部症状は比較的すぐに反応します。
腹部の硬さ使え感はとれ腹部不快感はすぐに消失しました。
・2回目
来院時の問診では治療後は数年続いていた腹部症状も軽減しているとのことでした。
経過もよいので同様の方針で治療を継続。
・治療4回目
先生実は・・・・
どうやら妊娠したとのこと❗❗
今まで妊娠したことはなくびっくりしているとのこと。
私もこんなに早い段階で妊娠の報告をきいて驚きました。
現在はとりあえず安定期に入るまで治療しながら様子を見ているところです。
考察
今回は4回という早い段階での妊娠でした。
平均的に妊娠まで行きつくのには半年~一年くらいの治療期間が必要です。
経絡的には生殖機能をつかさどる腎の機能を高めたことで脾の状態が正常となり
妊娠しやすい状態になったということが推察されます。
それと適度な夫婦生活実践してくれたのでしょう。
それで治療を始めて1カ月という超短期間での妊娠につながったのではと思います。
以上
1989
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