鍼灸による安産治療: 妊娠中の下肢静脈瘤を鍼灸で改善

今日の患者さんは30代の女性です。

 36週で逆子を治したいとのことで来院。

さらに下肢静脈瘤があり血管外科に行くように主治医に言われたとのこと。

左 フクラハギ全体に網目状もしくはクモの巣状の静脈瘤がみられます。

*「網目状静脈瘤」: 細い静脈が皮膚の上から透けて見える
 「クモの巣状静脈瘤: 毛細血管が放射線状に見える

 妊娠時の下肢静脈瘤は妊婦さんのおよそ20パーセントにみられます。
近年の高齢化出産の増加に伴い増えている症状です❗。

○方針

 下肢静脈瘤は妊娠に伴って発現することがありますが、
鍼灸治療でも改善できるので逆子治療とあわせて治療をすすめることにしました。

・主訴 逆子、下肢静脈瘤( 左フクラハギ)

・その他の症状

耳の閉塞感 、こめかみ付近の頭痛、下肢の冷え

証の決定

肝の病症 頭痛
腎の病症 フクラハギの静脈瘤、耳の閉塞感、下肢の冷え

以上から五行で判断すると肝虚証と考えられます。

・治療1回目 2月18日  

肝虚証 右 曲泉、陰谷を補法  逆子の灸

・治療2回目 2月20日 

治療後 下肢の静脈瘤の色が薄くなったとのこと。
頭痛、耳の閉塞感も軽減している。

鍼灸治療  肝虚証  右 太衝、太谿の補法、逆子の灸

・治療3回目 2月23日  

 下肢の静脈瘤はさらに色が薄くなっている。頭痛、耳の閉塞感は消失。逆子はまだ。

鍼灸治療  肝虚証  右 曲泉、陰谷の補法、逆子の灸

・治療4回目 2月26日

 下肢の静脈瘤は日に日に目立たなくなっている。

鍼灸治療  肝虚証 右 中封、復溜の補法 逆子の灸

 
この時点で逆子は治っていない。

下肢静脈瘤

一方で、その他の症状である静脈瘤は完全ではないがかなり改善された。
(写真は治療4回目のもの)

頭痛、耳の症状は消失している。

・考察

 逆子については週数がすすんでおり帝王切開の予定である。
もう少し早い時点で逆子治療がきていたならば改善できた可能性もあり悔やまれます。

しかしながら、下肢静脈瘤については改善しており、治療を続けることで当初予定していた外科的処置(血管外来)は不要になると思われよい部分もあった。

以上

浦和駅前不妊治療研究所 たまはりきゅう院

浦和駅前 突発性難聴研究所 たまはりきゅう院

1739

この投稿へのコメント

コメントはありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

eighteen + eleven =

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL