不妊症の漢方治療について

漢方薬が不妊治療に有効なこともあります。

漢方薬を専門にしている医師の診断を受けることを勧めます

 

〇不妊治療に有効な漢方薬についてのまとめてみました

  • 血が少ない「血虚(けっきょ)」の場合:

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味帰脾湯(かみきひとう)、四物湯(しもつとう)、当帰建中湯

 

  • 気が足りない「気虚(ききょ)」の場合 

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)

 

  • 血が滞った「瘀血(おけつ)」の場合:

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、温経湯(うんけいとう)、

腸癰湯(ちょうようとう)、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)、当帰芍薬散

 

  • 気が滞った「気滞(きたい)」の場合:

加味逍遥散(かみしょうようさん)、香蘇散(こうそさん)

 

  • 水の滞り「水滞(すいたい)」

五苓散(ごれいさん)、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、真武湯(しんぶとう)

 

  • 精力が減退する「腎虚(じんきょ)」の場合:

六味地黄丸(ろくみじおうがん)、八味地黄丸(はちみじおうがん)

 

  • 冷えが強い

真武湯(しんぶとう)、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、茯苓四逆湯

 

  • 胸脇苦満がある(季肋下付近に緊張がつよい)、

柴胡剤(大柴胡湯、小柴胡湯、四逆散、柴胡桂枝湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、補中益気湯) 

 

  • 不正出血 芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

 

  • つわり 小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)

 

上記は一例です。

 

漢方薬を決定する場合は特別な診断(望診、脈診、腹診、舌診など)が必要です。

 

脈診の様子

腹診の様子

 

舌診の鑑定例

寺澤捷年著  症例から学ぶ和漢診療学より抜粋

 

一般(西洋医学的な)の診断と比べて

「手間がかかる」と思いませんか。

 

お腹をみたり、脈をみたり、舌をみたり、問診したり、

と一般の診断よりも時間もかかります。

 

ところが、この面倒な診断の仕方ををすっ飛ばして

病名や問診だけで薬を決めてしまう医師が多いのが現状です。

 

そのため、不妊専門の病院で処方される薬といえば

①当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、温経湯(うんけとう)

②男性不妊の場合 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

というように一辺倒になってしまうのです。

これでは本当にあなたに合った薬をもらうことはできません。

 

漢方薬を処方できる医師へ診てもらう

 医師にも専門分野がありますが、

本来の漢方薬を勉強して、処方をしている医師は数少ないのが現状です。

適切な漢方薬を服用したいのであれば自分の責任で医師を選びましょう。

 

処方経験が十分ある先生を選びましょう

漢方薬も鍼灸と同様に処方してなんぼの世界です。

 

医師であればツムラ、クラシエ、コタローのなど保険収載の漢方薬の処方はできます。

しかし、漢方薬を処方した経験が少ないと

自分に合った漢方薬を処方してもらえる確率は大きく下がります。

オペの実績と同じようなものです。

 

漢方薬は保険外だと高価

これが私が漢方藥をあまり使わない理由です。

 

不妊治療のような慢性的な症状だと数か月単位で服薬が必要です。

保険と保険外と比較すると薬代も一桁くらい違ってきます。

 

院長が漢方薬の治療が必要と判断した場合は

専門の医師を紹介することにしています。

 

 

たまはりきゅう院 院長 田巻和洋

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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