日本人女性は鉄が足りていない
〇今日は「多くの日本人女性が鉄が欠乏している」という話です。
わが国では体内鉄の指標についてあまり議論されておらず、
結果として鉄欠乏の実態を認識できないでいます。
欧米における体内鉄の指標はフェリチン値です。
日本ではいまだにヘモグロビン値です。
フェリチン値は体内鉄量を鋭敏に示すことがわかっています。
米国では国を挙げて鉄不足への対策を実施しています。
たとえば小麦粉へ鉄分の添加が義務づけられています。
一方、我が国ではそのような対策はないため鉄欠乏人口はここ20年以上変わっていません。
厚生労働省の調査によると月経のある
女性の約半数が貧血であるようです。
鉄欠乏性貧血 ヘモグロビン 12g/dl以下 フェリチン 12ng/ml以下
貧血をともなわない鉄欠乏 ヘモグロビン 12g/dl以上 フェリチン 12ng/ml 以下
→(隠れ貧血)
正常 ヘモグロビン 12g/dl 以上 フェリチン 12ng/ml 以上
日本内科学会雑誌 2010年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/6/99_1194/_pdf
わが国では実態を把握しているのに対策してないということ。
悲しいことに無策なんです。
貧血をともなわない鉄欠乏(隠れ貧血)は
フェリチン値を測定しないとわかりません ‼
ヘモグロビン値だけでは不十分なのですが、
ほとんどの医師は無関心です。
体内鉄の量は
我が国における社会問題になっている
不妊症、発達障害、うつ、パニック症状に大きく影響することがわかっています。
不妊治療に限って言えば
実は日本は不妊治療の成功率ワーストワンなんです。
参考:『不妊治療を考えたら読む本』(講談社・ブルーバックス)
この結果は、国家レベルの鉄対策がないための結果なのかも!
心当たりのある方は病院でフェリチン値を測定してもらい
自分の体内鉄量を把握してみてください。
この論文ではフェリチン値 12以下で貧血症状を伴わない鉄欠乏としています。
しかし実際には、フェリチン 100以上目指すべきです。
妊娠を希望される方は
フェリチン値 50以上が最低ラインです。
当院では鉄分をはじめビタミン摂取や食事療法の指導も合わせて行っております。
たまはりきゅう院 院長 田巻和洋
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