加工食品の食べ過ぎで不妊になるかも!
加工食品の摂取しすぎは不妊の原因になるかも。
ボッテンジャーの猫研究から考える ―
■食生活と“不妊”の深い関係
近年、「妊娠しにくい」と悩む方が男女ともに増えています。
その背景には、ストレスや睡眠不足、環境物質などさまざまな要因がありますが、
見落とされがちなのが 「食生活」 です。
この食と身体の密接なつながりを示す有名な実験に、
ボッテンジャーの猫の研究(Pottenger’s Cats Study) があります。
■ ボッテンジャーの猫研究とは?
アメリカの医師、フランシス・ポッテンジャー・ジュニアが20年にわたり行った大規模な実験です。
猫を
生の自然食品を食べた群
加熱食品・加工食品を中心に食べた群
に分け、世代を超えて観察しました。
その結果が非常に象徴的でした。
■ 加工食品を食べ続けた猫の健康は、世代を追うごとに悪化した
加工食品群の猫には、次のような問題が増加しました。
骨格の弱さ
アレルギー・感染症の増加
不安定な気質・行動異常
免疫力の低下
不妊化(妊娠率の低下、流産・死産)
そして 4世代目では自然繁殖がほぼ不可能になった と報告されています。
もちろん、猫の研究をそのまま人に当てはめることはできません。
しかし、
「食生活は生殖能力にまで大きな影響を与える」
というメッセージは、現代の不妊問題を考えるうえで非常に示唆的です。
■ なぜ加工食品が“不妊リスク”になるのか?
加工食品が増えた現代の食生活は、以下のような面で生殖機能に負担をかけます。
① 栄養密度が低く、精子・卵子に必要な栄養が不足しやすい
加工食品は、
精製された油
精製糖
添加物
長期保存のための処理
が多く、本来の“食材そのものの栄養価”が低い傾向があります。
そのため、妊娠に必要な
亜鉛
葉酸
良質なタンパク質
ビタミンE
オメガ3脂肪酸
などが不足しやすく、精子や卵子の質にも影響します。
② 血糖値の乱高下 → ホルモンバランスが乱れる
菓子パン・スイーツ・清涼飲料水など糖質の多い加工品は、
血糖値が急上昇し、その後急降下しやすくなります。
これはホルモンを調整する内分泌系に負担をかけ、
排卵・月経リズム・精子形成に影響することが知られています。
③ トランス脂肪酸・加工油が生殖機能に悪影響
マーガリン・ショートニング・揚げ物の多い加工食品には、
生殖能力に悪影響を与えるとされる脂肪酸が含まれることがあります。
特に男性では精子数・運動率との関連が研究で示唆されています。
④ 体内の炎症が増え、妊娠しにくい状態に
加工食品に多い
添加物
過剰な塩分
酸化した油
精製糖
は、腸内環境や体の炎症レベルを悪化させる可能性があります。
慢性的な炎症は、
着床しづらい
子宮内膜が整わない
精子がダメージを受ける
などの不妊リスクにつながります。
⑤ 体重増加・内臓脂肪 → ホルモンの乱れ
肥満や内臓脂肪はホルモンバランスに大きく影響し、
男性不妊・女性不妊のどちらにも深く関わります。
加工食品、特に
スナック菓子
ジャンクフード
加工肉
甘い飲料
は体重増加につながりやすく、結果として妊娠しづらい状態を招きます。
■ “妊娠しやすい身体”に近づくためにできること
加工食品を完全にやめる必要はありません。
しかし 「頻度を減らす」だけでも体は確実に変わります。
● 1. 加工品より“素材”を選ぶ
例:
菓子パンではなく、卵+米・野菜
加工肉ではなく、魚や鶏肉
インスタント麺ではなく、野菜入りの暖かい汁物
● 2. 良質な脂質をとる
牛豚の脂
魚の脂
● 3. 腸を整える
発酵食品(味噌、納豆、ぬか漬け)を少量でも毎日。
● 4. 血糖値の急上昇を防ぐ
食事の最初に野菜をとる、甘いものは食後にするなど。
● 5. 睡眠・ストレス管理
ホルモンの調整は「生活リズム」の影響が非常に大きいです。
■ボッテンジャーの猫研究は、
食生活が生殖力に深く影響する という事実を象徴的に示した研究でした。
東洋医学でも同じく、
気血を養う食事
冷えを防ぐ調理
シンプルで自然な食材
が「妊娠しやすい身体」を作る鍵と考えます。
加工食品を減らすことは、
美容や健康だけでなく “未来を育む身体づくり” にもつながります。
たまはりきゅう院 院長 田巻和洋
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。
- トラックバック URL


この投稿へのコメント