妊娠を考える前に身体づくりが大事

妊娠を考える前に身体づくりが大事

例えば、畑で野菜を栽培する時ことを考えてみてください。

やせた土壌にいくら種や苗を植えても実は育ちにくいものです。

まず大事なのが土作りです。土を耕し、肥料を与え、種を植えます。そして、害虫などのストレスを取り除きながら育てることで実が育っていくのです。

人間の身体も一緒です。
妊娠しやすい身体とはストレスの影響がなく免疫力の高い状態のこと。
身体ができれば自然妊娠の可能性もあがります。

身体づくりにはある程度の時間がかかります。

「来週、体外受精を控えているので治療にきました。」
「すぐに妊娠したいんです。」 
このような方がたまにいらっしゃいます。

やらないよりはましですが、本当に身体のコンディションを整えるのにはある程度の時間が必要です。私も気持ちは十分にわかりますが、焦ってもよい結果は出にくいのです。

体外受精は1回に50~100万円くらいのお金がかかります。できる限り妊娠しやすい状態にしてから臨みたいものですよね。

妊娠しやすい身体の状態

たとえば、仕事のストレスをかかえてイライラしていて耳鳴や腰痛、頭痛が頻繁にある、または風邪ばかり引いている状態と、ストレスなく身体の不具合もほぼないという状態ではどちらが妊娠しやすい状態と言えるでしょうか。

西洋医学的に考えるとイライラする感情や耳鳴、腰痛、頭痛のような諸症状は生殖機能とは関係性がないようにみえます。

一方、東洋医学的に考えるとイライラするという感情は経絡の乱れを生み、肩こり、腰痛、頭痛などの症状は経絡の乱れた結果現れた症状と考えます。

このように、ストレスは経絡のゆがみを生み間接的に生殖機能にも影響しホルモンの乱れの原因ともなりえるのです。

妊娠しやすい身体の状態

妊娠の可能性を高めるポイントは、東洋医学でいう肝経、腎経のバランスを整えること

東洋医学には「気」「血」という概念があり、わかりやすく言えば、生きていくのに必要なエネルギーのことです。このエネルギーの通り道が経絡です。主要な経絡は12種類あり全身を廻っており、互いに助けたり(相生)、抑制したり(相克)しながらバランスを保っています。

この経絡のバランスが崩れるとその経絡に関連した症状が出現し、いわゆる病気とあつかわれます。

妊娠に大きくかかわる経絡は肝経(かんけい)と腎経(じんけい)です。

肝経の乱れ

肝経は例えば眼、筋肉、頭痛、腰痛、生殖機能、イライラ(怒る)した感情にかかわります。

怒ったり、怒られることが繰り返される環境にいると、肝経が乱れ、眼の痛み、片頭痛、腰痛、そして、生殖機能(卵巣病変、性欲減退)にも影響がでるのです。

腎経の乱れ 

例えば腎経は水分代謝、冷え、腰痛、頭痛、耳、生殖機能や感情でいうと不安にかかわります。

腎経が乱れると腰痛、頭痛、難聴、耳鳴り、夜間頻尿などがあらわれ生殖機能(生理痛、周期乱れ、精子異常)に影響します。

このように、肝経や腎経は生殖器以外の症状もかかわります。東洋医学的に考えると、これらの諸症状を取り去ることがストレスを軽減し、結果として生殖機能の改善につながるのです。

妊娠の可能性を高めるポイント

鍼灸治療は経絡の乱れを改善できます。

ツボと経絡は鉄道の駅と路線図に例えられます。ツボは経絡の要所にあり、全身に360程度存在します。

各臓腑の経絡の変動は関連するツボに現れ、そのツボは鍼や灸によって適切に刺激すべき治療点となるのです。

妊娠しやすい身体づくりができる鍼灸治療

当院では東洋医学的視点から 「妊娠しやすい身体づくり」 を実践します。

当院では、まず問診でお悩みの症状や身体の状態を伺い、次に、腹部、手足の皮膚面、手首の脈を確認します。
そうして身体全体のバランスを見ることで、治療方針でとなる「証(あかし)」を決定します。
その証に基づいて治療するツボを選び、適した鍼で刺鍼していきます。刺鍼するのは、手足、首周囲、背~腰、腹部です。
最後に、再度脈を確認して治療は終了です。

患者さまひとりひとりの身体のバランスをみて、諸症状が軽減していくよう自律神経を整え、妊娠を維持できる身体へ近づけていく治療です。

当院の施術の流れについてはこちらのページもご覧ください。

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